2020年12月24日に個人的に待望していたアレスタコレクションがとうとうリリースされた。アレスタコレクションについて思っていたことや、この1か月遊んでの感想をこの記事に残しておく。
今回のアレスタコレクションが発表されたのは2020年9月だが、自分はエムツー社が武者アレスタを除いたセガハードで出たアレスタシリーズの版権を持っているのを知った2015年には既に「アレスタコレクション」で過去シリーズを出して欲しいと言っていたくらいに待ち望んでいたタイトルだったりする。実際にはTwitterを始める前から言ってるのでもっと昔からなのだが、そこは重要ではないのでおいておく。
なぜ待ち望んでいたかというと、自分が90年代にアーケードのシューティングに挫折していたころにアレスタシリーズやサンダーフォースIVのほどよい難易度に救われていたのもあって、長年推しのシリーズだったからといのがまずある。そして長年推しだったにも関わらず、実カートリッジの方は高騰し入手難になり、勧めづらくなっていったのをなんとかして欲しいと思っていたし、STGが得意でない人でも遊べる名作群が埋もれるのは本当にもったいないと思っていたのが大きい。
というか、SMS版Power Strike IIのようにもともと海外でしか発売されなかった上に発売数が少なく、世界的に入手難なタイトルもあったし、GGアレスタ(1)は発売数が少なかったせいで90年代当時からプレミアソフトで、セガBBSにくるような人ですら未プレイの人をよく見たものである。
だが、アレスタシリーズは個人的に推しであっても、復刻版でビジネスができるかは厳しいのではないかとも思っていた。アレスタはセガ・マークIII/マスターシステム用のタイトルであり、メジャー機に出ていたわけではないし、GGアレスタは前記のように遊んだ人は少なく、GGアレスタIIはゲームギアの中では名作と評価されていたが、ゲームギアは決してユーザーが多かったわけではない。Power Strike IIは言わずもがなで、セガ系の中で一番ファンが多い武者アレスタはM2社の版権でないことは2015年には知れ渡っていた。アーケードゲームではない家庭用オリジナルのシューティングかつ、非メジャー系ハードの中でもけっして多くのファンがいるわけではない(ように見える)タイトル群をどうやって売ればいいのかと考えたとき、その一つの解が「M2社およびほりい社長によるアレスタシリーズのブランド化」であった。2017年当時ほりい社長は達人王について頻繁にTweetすることでレトロゲームファンの関心を呼んでおり、それをアレスタに応用できないかと思っていたものである。
実際その後、ほりい社長はアレスタについてちらほらつぶやくようになり、その後さらにアレスタブランチの発表があり、これはワンチャンあるのではないかと思うようになっていった。そして2020年9月に発表されたので、当然のように即限定版を予約した。僕がこの頃、本サイトの方に「堀井社長の勇気を称えたい」と書いていたのはこういう経緯があったりする。
10月にはBEEP秋葉原でGGアレスタ3の試遊をしたりで自分の中で盛り上がっていった。
そして訪れた発売日、パッケージ版を両機種予約していたけど、待ちきれずにNintendo Switchのダウンロード版を購入して新作GGアレスタ3をプレイ、試遊会のときの2面までは簡単だったけど、3面から案外ミスりやすくて初回はステートセーブを使いまくってエンディングを拝んだ。試遊会の記事に書いたようにGGアレスタシリーズの新作ということで、おじさんでも初見ノーミスクリアできちゃうくらいの難易度でいいと思っていたので、ここはちょっと計算外だったけど、これでもかというくらいにゲームギアフォーマットの限界にチャレンジして、見せ場をたくさん作ろうという意気込みがぎゅんぎゅん伝わってきて好印象だった。
まだ遊んだことない人もいるだろうし、あまり具体的なことは書かないでおくが、試遊会でゲームギア実機で2面まで遊んだことのある私ですら、5面以降は「本当にこれゲームギア実機で動くの? いや動くんだよ」と自分に言い聞かせながら初回は遊んでいたくらいで、当時ゲームギア実機で遊んだことのある人こそ、ぜひ一度は体験して欲しいと思った。そして、GGアレスタ3を楽しめるかどうかは、この文脈が理解できるかどうかがけっこう大きいのかなともWeb見ていると思うのである。GG未体験者はGGフォーマットで出たことに価値を感じなくてもしょうがないとは思う。だがGGフォーマットに価値を感じないならそもそもこのゲームではないゲームを遊べばよく、他にいくらでもあるだろうとも思う。ただ、ゲームギアが現役だった1990年代と比べて、STGは2000年代に圧倒的にユーザーフレンドリーに文法が進歩したので、それらは取り入れてよかったとも思っている。1つはミスしたときのパワーダウンの廃止であり、1つは封印である。ここは今時のSTGを遊んでいる人には理不尽さを感じられてもしょうがないとも思った。
12月中にプレステ4版で旧作をDefaultランクで全作ノーコンティニュークリアした後、Nintendo SwitchでGGアレスタ3もDefaultランクをノーコンティニュークリアできた。5面ボスとラスボスだけアレスタチャレンジなる練習モードで特訓しての通算4プレイ目でいけたので、GGアレスタシリーズとしては難易度高いけど、アケ基準で考えるとかなり簡単な方だとは思った。続けてプレステ4でもGGアレスタ3はノーコンティニュークリアしているが、1プレイに時間がかかるのと仕事が忙しくなってしまったため、それ以降遊べていないがこれからもっと楽しめばいいだけと思っている。
2021年になってからはこのために買ったゲームギアカラー ターコイズliteことNintendo Switch liteでちょこっとアレチャレしているくらいで余り遊べてなかった。
だが、ここ数日ちょこちょこ遊んでSwitch版でも旧作すべてノーコンティニュークリアできた。というかSMS版Power Strike IIだけノーミスを逃しているのでなんとかしたい。これは、プレステ4版も同様である。
今のところのプレイ実績はこんな感じ。Nintendo SwitchはNS表記で。ランクは全部Default。毎月TFIIIをManiaランクで遊んでいる僕が言うのもアレだけど、家庭用ゲームは基本Defaultランクで遊ぶ派なのだ。
- アレスタ: NS版ノーミスクリア
- Power Strike(SMS) : プレステ4版ノーミスクリア
- GGアレスタ: NS版、プレステ4版ともにノーミスクリア
- GGアレスタII: プレステ4版ノーミス失敗
- Power Strike II(GG): NS版ノーミスクリア
- Power Strike II(SMS): NS版/プレステ4版ともにノーミス失敗
- GGアレスタ3: NS版/プレステ4版ともにノーミスはまだ
パッドはプレステ4のときはギルティギアパッド(三和電子交換済み)、Nintendo Switchのときは8BitDo M30 Bluetoothを使っている。ギルティギアパッドは2016年にM2Stgのためにプレステ4を買ったあと、お試しプレイ以降1度も使われていなかったのがここで役立った。そして、準備していた理由はまさにこれだったりする。
プレステ4純正パッドの方向キーでシューティングゲーム遊ぶのはきついと思っていたので、備えていてよかった。
なお、再現度的にはNintendo Switch版とプレステ4版ともに全作良好だった。
特にPower Strike IIについては本サイトの「SMS版Power Strike IIについて」に書いたようにPAL 50Hzのテンポで出してくれて本当に嬉しかった。あとオリジナルを尊重してくれて、余計なFM音源追加とかNTSCテンポの収録とか「未プレイな人が多い作品に対してピントのずれる要素追加」をしてこなかったことも高く評価している。アスペクト比については思うところがなくもないが、オリジナル版のそもそもの成り立ちとしてまともな開発環境がなかったゆえ、アスペクト比について思い通りにいかなさがあったようなこともじぇみにさんの過去Tweetから窺えるので、何をもって真の正とすべきなのは私は知らない(※)し、それを拾ってM2社がそうしたのかも知らないが、PAL/NTSCのテンポに比べると小さなことでしかないのであまりいうつもりもない。
※ ターゲット環境であるPALのテレビにPAL SMS/MDで繋いだときのアスペクト比が1つの正であることは間違いないと思う
個人的に家庭用ゲームのコンペティションに興味がほとんどもてないのでオンラインランキングは「間違って僕のしょぼいプレイが上位に入っちゃっていないか」(※)くらいのチェックをするくらいなのだが、先日みたら多くのレトロゲームタイトルよりもアレスタシリーズ旧作が遊ばれているのがわかり、僕の長年の願いがかなったんだという大きな満足感があった。僕は大好きだけど、決して有名かつ人気のあるシリーズではなかったアレスタシリーズにこうやってスポットライトを当ててくれ、そして(外部からは)上手くいったように見えるところまで進めてくれたエムツー社および関係者の方々には感謝の気持ちしかない。新作、アレスタブランチはもちろん、限定版についてきた冊子「Aleste History」にMSX版アレスタシリーズを収録したアレスタコレクション2を構想中と書かれていたので、発売されたら絶対に買うくらいには期待しているということで締めさせてもらう。
※ 自動で必ずオンライン登録されちゃうのだ。しかもリプレイも……。ただ、ランキング登録されることでモチベーション上がる人もそれなりに見かけるので正解だとも思っている
最後にと前段で書きながら、もう一言だけ書くと、アレスタコレクション発売前後に元コンパイルの開発陣の方々がTwitterで活発に発言されていて興味深く拝見させてもらった。特にGGアレスタI・IIに深く関わった小玉大合体さま(@hi_koguma)のイラストは眼福だったのでお勧めしたい。
[関連記事]
MDの窓 – SMS版Power Strike IIについて
2021-01-31追記
アレスタコレクション版Power Strike IIのアスペクト比は、デフォルトの「M2ガジェット + ドットバイドット」から「M2ガジェット + ノーマル」に変更すると、PAL実機と同様のアスペクト比になることがわかった。というかM2Stg生放送で、PALなアスペクト比で放送していてわかった。
「アレスタコレクションリリース」への2件の返信
ゲームをやりこまれた方だからこそ書ける
読み応えのあるレビューでした。
確かに、生放送で突然発表されてからの
盛り上げ方は、エムツーさん流石でしたよねー。
ほりい社長は、販売するタイミングとか、
Twitterやネットで話題になるようなことに
すごく関心が高いですね。
ゲームの話題を適当にツイートしてるようで、
実はけっこう真面目に、その反応を見られてます。
なので、好きなゲームについては
どんどん発信していきたいですねー
生放送でPower Strike IIの曲が50Hzのテンポで流れたときの興奮は忘れられません。
そして、エムツーは過去の名作をいまでも遊べる名作としてとらえて調理して出してくれるのが嬉しいです。過去の名作もいまでは懐メロレーベル的に十把一絡げに扱われることが多くなってきたこのご時世、本当にありがたい存在です。
ほりい社長ウォッチングの第一人者のKABUさんまではいきませんが、いつも目が離せない存在ですね。