ゲーム用途でのPCレスキャプチャユニット比較 GV-HDREC – ER330編

PCレスキャプチャユニットについて、ゲーム用途で使ったときにIO DATAのGV-HDRECとAVerMediaのER330とでそれぞれどこにメリットがあるか、両方1年以上使って自分なりに感じたことを比較しながら書いていく。

下記写真からわかるように製品のサイズ感はほぼ同じで実売価格的にも用途的にも比較されやすい製品だと思うが、かなり特性が違うので単純にどちらの方が良い・悪いで言えるものではなかったりする。

IO DATA GV-HDREC
AVerMedia ER330

なお、ゲーム用途といっても自分はPCレスキャプチャユニットをプレイステーション4/5やNintendo SwitchのようなHDMIで1080p出力ができるゲーム機のキャプチャ用途ににしか使っていない。これはGV-HDREC、ER330ともに、解像度や周波数がHDMI規格に則っている入力信号でないと基本正しくキャプチャできないからであり、レトロゲームをアップスキャンコンバーター経由でキャプチャする用途だとPCを使用するタイプのキャプチャボードの方が向いているからである(特にアーケード基板のとき)。アップスキャンコンバーターにRetroTINK-5X ProのTriple BufferモードやXRGB-miniを使う場合はこのあたりをある程度は吸収できるが、OSSC Ver.1.6で使うのにはGV-HDREC、ER330ともに向いていないと思う。なので、以下の比較をする際に、古めのゲーム機を繋ぐ際の適正とかは考慮に入れていないのに注意して欲しい。


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RetroTINK-5X Pro Fw.Ver.2.75 released

RetroTINK-5X ProのFirmware Ver.2.75が2022年8月3日(JST)にリリースされたのでさっそく導入してみた

7月30日にリリースされたFw.2.74からの更新はHDR10偽装モード関連なのでSKIPしてもよかったのだが、せっかくだから。


軽くメガドライブの240p Test Suiteで試した画面ショットを貼っておく。条件はみな以下。

1080p(Fill), Gen 320, Frame Lock, SDTV LPF:Light


いつものセガハード4機種での回帰テスト結果も貼り付ける予定だが、とりあえずはメガドライブだけで。

Retro Access MD2用SCARTケーブル(CSync), 1080p(Fill), Gen320, Frame Lock, SDTV LPF:Light

せっかくなのでInject HDR : HLGの画像も載せておく。スキャンラインは “Consumer-2″。

Retro Access MD2用SCARTケーブル(CSync), 1080p(Fill), Gen320, Frame Lock, SDTV LPF:Light, Inject HDR:HLG, Scan Line:Consumer-2

RetroTINK-5X Pro Fw.Ver.2.74 released

RetroTINK-5X ProのFirmware Ver.2.74が2022年7月30日(JST)にリリースされたのでさっそく導入してみた。

7月14日にリリースされたFw.2.73からの更新内容はHDR10偽装モード(スキャンライン使用前提)と内部処理の変更で、ふだんスキャンラインオフにしている自分の場合、何か益があるのか不明だったがせっかくだからで。


軽くメガドライブの240p Test Suiteで試した画面ショットを貼っておく。

1080p(Fill), Gen 320, Frame Lock, SDTV LPF:Light

いつものセガハード4機種での回帰テスト結果も貼り付ける予定だが、とりあえずはメガドライブだけで。

(2022-08-03追記 Fw.2.05が出たので省略することに)

Retro Access MD2用SCARTケーブル(CSync), 1080p(Fill), Gen320, Frame Lock, SDTV LPF:Light

せっかくなのでInject HDR : Onの画像も載せておく。スキャンラインの種類は忘れたZzz…。

Retro Access MD2用SCARTケーブル(CSync), 1080p(Fill), Gen320, Frame Lock, SDTV LPF:Light, Inject HDR On

RetroTINK-5X Pro Fw.Ver.2.73 released

RetroTINK-5X ProのFirmware Ver.2.73が2022年7月14日(JST)にリリースされたのでさっそく導入してみた。

2022年4月20日にリリースされたFw.2.71以来の正式版Firmwareだが、全機種RGB/Component接続している自分には必要ない更新内容だった。

これはS端子・コンポジットビデオ用にTriple Buffer, Frame Lockと同列に”Gen Lock” モードが追加されたのだが、RT5X-Pro本体を2021年7月より前に購入した初期組は使えないとのこと。

前記したように今回は自分には必要のない更新だったからダメージはないのだが、今後もこういう更新が入るならちょっと考えないといけないとは思った。DExx-vd_isl があるいま、アーケード基板用途でRT5Xを使うことは今後ないし、セガハードのキャプチャ用途では現状満足しているのでまぁいいっちゃいいんだけど。


軽くメガドライブの240p Test Suiteで試した画面ショットを貼っておく。

1080p(Fill), Gen 320, Frame Lock, SDTV LPF:Light
1080p(Fill), Gen 320, Frame Lock, SDTV LPF:Light
1080p(Fill), Gen 320, Frame Lock, SDTV LPF:Light
1080p(Fill), Gen 320, Frame Lock, SDTV LPF:Light

いつものセガハード4機種での回帰テスト結果も貼り付けておく。

マスターシステムはFw.2.71と同じでTriple BufferならLPFをStrongにしなくても映ったがやや不安定だった。Frame LockでLPFをStrongにした上で、前バージョンと同様にLLPLL BWを2にする設定変更で安定した。

穴場開発事業団 マスターシステム用SCARTケーブル, 1080p(Over), SNES/PCE/PS1 256, Frame Lock, SDTV LPF:Strong, LLPLL BW: 2

メガドライブはいつものように安定。

Retro Access MD2用SCARTケーブル(CSync), 1080p(Fill), Gen320, Frame Lock, SDTV LPF:Light

サターンも。

Retro Access SS用SCARTケーブル(CSync), 1080p(Fill), Sat 352, Frame Lock, SDTV LPF:Light

ドリームキャストもいつものようにジャイアントスイングフォーエバー。

Retro Access DC用31kHz対応SCARTケーブル, 1080p(Fill), DTV 858-A, Frame Lock, EDTV LPF:Off

DExx-vd_islでのOSSC Pro先行体験

OSSC Newsletter Issue 21 – Here’s DExx! に書かれているように、2022年6月29日にDExx-vd_islがVGPで発売開始した。自分は即注文して、7月7日に届いていたのでこの週末はいろいろ試していた。

DExx-vd_isl + DE10-Nano

DExx-vd_islとはなんぞやというのは先のOSSC Newsletterを見ればわかるのでここではごく簡単にしか書かないが、単体でコンバーターとして使えるものではなく、MiSTerなどでお馴染みのDE10-Nanoと組み合わせることでOSSC Proの主要機能を使えるものである。いわば “OSSC Pro Lite”というものだと理解すればよいだろう。

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RetroTINK-5X Fw.Ver.2.72(beta)

RetroTINK-5X Proのベータ版Firmware Ver.2.72がRetroTINKのDiscord(※)からリンクされているので、さっそく試してみた。

※ MikeのTwitterアカウント参照

Changelog的にはSkipしてもいいかなと思ったけどせっかくだから。


とりあえずメガドライブで問題なさそうなことだけ確認しておいた。

Retro Access MD2用SCARTケーブル(CVBS), 1080p(Fill), Gen320, Frame Lock, SDTV LPF:Ligh

Elgato Game Capture HD60 X を試してみた

キャプチャ機器を数多く手がけているElgato社が2022年4月22日にリリースした “Game Capture HD60 X” を試してみた。

まず内容物は以下。本体とUSB-C to USB-Aケーブル、あとHDMIケーブルのシンプルな構成である。

Elgato Game Capture HD60 X (ゲームギアミクロはものさし)

接続は説明するまでもないレベルで簡単。

1.HDMI Inにゲーム機やRetroTINK-5X Pro/OSSC Ver.1.6からのHDMIケーブルを接続

2.HDMI OutにモニタへのHDMIケーブルを接続

3.付属USBケーブルでUSB-C側をHD60 Xに、USB-A側を電源の入っているPCのUSB3.x端子に接続

ただこれだけ。PCへの接続時にドライバが自動インストールされる。

キャプチャソフトは特にこだわりがなければ OBS Studio でいいと思う。標準ソフトである4K Capture Utility も問題の切り分けをする用途でインストールしておいた方がいいとは思うが、後述するように4:3でキャプチャするとか、ちょっと凝ったことをしようとすると出来ないことが出てくる感じ。ただ、Flashback録画とかその手の機能はOBSでは使えないので、それが必要なら標準ソフトを使えばいいだろう。

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RetroTINK-5X Pro Fw.Ver.2.70/2.71 released

RetroTINK-5X ProのFirmware Ver.2.70が2022年4月19日(JST)にリリースされたのでさっそく導入してみた……と記事を上げてから、翌4月20日(JST)に微修正されたFw.2.71が出たのでそちらとまとめて記事にしておく。

2021年12月末にリリースされたFw.2.39以来の正式リリースなので、その間のベータ版の更新がほとんど入っており、かなり盛りだくさん、自分的に重要なのは以下。

  • スタートアッププロファイルの指定が可能になった
  • 超低ラグモードである 1080p(Min-Lag)の追加(240p/480i/480pがソースのとき限定)
  • 2560x1440pのサポート。240p Line 6x、480p Line 3xだけでなく、720p Line 2xも可能に (Xbox 360などで有用)
  • 最大30fpsまでだが4Kサポート(映像デモに近いので過度の期待は禁物)
  • オプション設定にてインターレース時にもH.Sampling変更が利くように。H.Samplingに追加されたHi-resolusionモードであるHires 512とHires 858でGSM使用時に高画質化できるようになった
  • リモコンで値変更をするとき、ボタン押しっぱなしが利くようになった(大きく値を変更するときに何度も押す必要がなくなった)

あとFw.2.70では2560x1440pのときに色の問題があったのがFw.2.71ではFixされているとのこと。

他は公式のchangelogを見て欲しい。というか、ベータの時点で本サイトの方のページを更新しているので、そっちを全部見ればFw.2.39から追加された項目についてわかるようになっている(つもり)。

追加されただけでなく、削除された機能もあるがそれは多くの人に使われていなかった機能ってこと。そこにこだわるなら旧バージョンを使えばよい。

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RetroTINK-5X Pro Fw.Ver.2.69(beta)

RetroTINK-5X Proのbeta版Firmware Ver.2.69がRetroTINKのDiscord(※)からリンクされているので、さっそく試してみた。

※ MikeのTwitterアカウント参照

experimental Firmware Ver.2.60からの違いは以下。

  • リモコンで値変更をするとき、ボタン押しっぱなしが利くようになった(大きく値を変更するときに何度も押す必要がなくなった)
  • Output Resolutionに超低遅延である1080p(Min-Lag)モードが追加された。240p/480i/480pがソースのとき限定
  • iPad用に2048 x 1536pの解像度が追加された
  • 2560×1440や4Kなどのexperimentalな解像度についてはOSDからAdvanced Resolutionオプションを選ばないと画面表示されないようになった

自分的に一番大きな変更点は1080p(Min-Lag)モードで、昨日はこれを軽く試していた。

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RetroTINK-5X Proへのプレイステーション2接続について

過去なんどかつぶやいている内容ではあるけど、画質を重視してのRetroTINK-5X Proへのプレイステーション2の接続(※)は480p対応ソフトを1本でも遊ぶ気があるならコンポーネントビデオ接続を選ぶのがよいだろう。

※ なおGSMは今回考慮外とする。

プレイステーション2をRetroTINK-5X Proにコンポーネント接続した例

SCART RGB接続は480i/240pのゲームしか遊ばない人むけ(※)。

※ プレステ2のRGB接続時の480p出力はSync on Green(RGsB)であるが、RT5X-ProはRGsB非対応であるため。回避手段は一応ある

なお、多くのゲームが480p対応しているDCと異なり、プレステ2は480iのみ対応のゲームが中心であることは付記しておく。

ただし、プレステ2のセガエイジスシリーズは少なくともM2開発のタイトルは480p対応しているのでここはぜひ活用して欲しいところ。Webで検索してみると100本以上のタイトルが480p対応している模様。

以下もファンタジーゾーン コンプリートコレクションのスクリーンショットで比較できるようにしておくが、けっきょくは自分の環境で比較しなければわからないことがあることも付記しておく。


まずはHD Retrovison コンポーネントケーブルでの480pから。H.Samplingは DTV 858-A、EDTV LPFはOffで。

HD RetroVision component cable, 480p, DTV 858-A, EDTV LPF: Off
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