キャプチャ機器を数多く手がけているElgato社が2022年4月22日にリリースした “Game Capture HD60 X” を試してみた。
まず内容物は以下。本体とUSB-C to USB-Aケーブル、あとHDMIケーブルのシンプルな構成である。
接続は説明するまでもないレベルで簡単。
1.HDMI Inにゲーム機やRetroTINK-5X Pro/OSSC Ver.1.6からのHDMIケーブルを接続
2.HDMI OutにモニタへのHDMIケーブルを接続
3.付属USBケーブルでUSB-C側をHD60 Xに、USB-A側を電源の入っているPCのUSB3.x端子に接続
ただこれだけ。PCへの接続時にドライバが自動インストールされる。
キャプチャソフトは特にこだわりがなければ OBS Studio でいいと思う。標準ソフトである4K Capture Utility も問題の切り分けをする用途でインストールしておいた方がいいとは思うが、後述するように4:3でキャプチャするとか、ちょっと凝ったことをしようとすると出来ないことが出てくる感じ。ただ、Flashback録画とかその手の機能はOBSでは使えないので、それが必要なら標準ソフトを使えばいいだろう。
ここからはキャプチャテストした結果を淡々と書いていく。自分が興味ある方向しか試してないし、自分が分かればいいだけなのでエビデンスレベルのものも残さない。この記事は参考になる人がいたらよかったねという程度のものだと理解して読んで欲しい。
当然対応しているであろうプレステ4/5だのNintendo Switchだののテストは後回しにしてレトロゲーミング/クラシックゲーミング的な機器で試していく。
まず、サターンの時代に多い解像度切り替え発生時の暗転時間については、けっこう長め。ここが超速のMagewell Pro Capture HDMI 4K Plus LT はもちろんとして、マイコンソフト XCapture-1 よりも長い感じ(測ってはいない)。なので、暗転しないようにするのが重要になると思った。
[RetroTINK-5X Pro経由でのキャプチャ]
4K Capture Utility(v1.7.6.4888)とOBS(v27.2.4)とアマレコTV(v4.11)でRT5X-Proの1080p(Fill)や1080p(Min-Lag)をFrame LockやらTriple Bufferやらで試していた。とりあえずアマレコで録るとカクつくので最初の2つのどちらかを使うのがいいだろう。
いつもの国内セガハード4機種(マスターシステム、メガドライブ、セガサターン、ドリームキャスト)は問題なく使えることは確認できている。
ただ、サターンの時代に多い240pと480iの解像度切り替えはRT5Xの設定を Frame Lockにしていると標準ソフトでは暗転するどころかキャプチャが途切れたので、解像度切り替えのあるゲームをHD60 XでキャプチャするときはTriple Buffer必須だろう。まだ買ったばかりでそんなに試せてはいないが、Triple Bufferではこの問題は発生していない。
[OSSC Ver.1.6 経由でのキャプチャ(ビデオスケーラーなし)]
4K Capture Utility(v1.7.6.4888)では実質240p Line 3xまでとみてよさそう。
OBSなら下記のような設定で240p Line 5x (1600×1200)が録れた。
まずは映像キャプチャデバイスにHD60 Xを追加し、カスタム解像度で1600×1200を指定。
全体設定の映像タブで基本解像度と出力解像度に1600×1200を指定。
OBS上はこんな感じになる(音声別枠はお好みで)。
実際にキャプチャした動画はそのうち上げるかもしれないし、上げないかもしれない。気が向いたらで。
ドリームキャストの480p Line 2xはOBSの仕様上、上記1600×1200の設定でMDやSSと共用にした方が運用しやすいと思った。ここを妥協するかどうかはお好みで。
セガサターンの480iはLine 4xでも受け付けてくれた。こちらもOBS上は上記プロファイルと兼用するのが運用的には楽そう。
アーケード基板でも軽く確認している。まずは怒首領蜂大往生ブラックレーベルから。
CV1000-Bものも。
変態周波数で数々の機器を打ち破ってきた(?)ぶたさんもOKだった。
ただ、old namcoものはいまのところ、上手くいってない。
もう少し調べてから追記する予定。とりあえずここまで。
2022-05-09
テスト動画を上げたのでリンクしておく。
2022-05-15追記
Nintendo Switchでのテスト動画も。
2022-05-16追記
Windows 11で使っていると音声が入力しなくなることが何度か発生している。これが発生すると4K Capture Utility でも OBSでも音が拾えなくなるのでキャプチャ前には必ず音声のレベルメーターが反応しているか確認するようにしている。
これが発生したときはデバイスマネージャーからドライバを削除 → PCとの接続ケーブルを抜き差しして再接続をして回避している。単なるPC再起動では直らない。
出たばかりの製品で他に事例がなく、自分の環境だけの可能性もあるが一応メモしておく。Windows 10 PCの方で軽く試した範囲では発生していないし、そもそもこの製品はこの記事を書いた時点ではWindows11対応が正式にはうたわれていないので、まぁこれから出るドライバでは起きなくなるんだろうくらいに楽観している。
2022-05-28追記
4K Capture Utiltyが1.7.7、ファームウェアが 22.04.07(MCU 22.4.08)に更新された。暗転に強くなったのかもしれないが、まだ確認できていない。