2022-10-17に各種家庭用ゲーム機のFPGA互換機を出しているAnalogue社から3つの発表があったので備忘しておく。
- Analogue Pocket予約B・Cグループは2022年内に出荷予定
- Analogue Pocket用 “Pocket Adapter Pack” を10月21日から予約受付開始予定。
- MEGA SgとSuper Ntは最終受付になるとのこと
2の Pocket Adapter PackはもともとAnalogue Pocket用にばら売りで予定されていたLynx、PCエンジン系(TurboGrafx-16, PC Engine & SuperGrafx)、ネオジオポケットの3つのカートリッジアダプタをセット売りするものである。
3について、実際のところ今後のAnalogue機にはAnalogue OSが搭載され、openFPGAも搭載されるはずなので旧仕様のMEGA Sg/Super Ntはやめ時だとは思う。
openFPGA搭載の据え置き機はAnalogue Duoが予定されているが、これに一本化してCD-ROM搭載のMiSTer的なハードに育てていくつもりなのか、それともGenesis/SNES互換機をopenFPGA対応にして出し直すつもりなのかは現時点ではわからない。いずれとも異なる汎用的なものにする可能性もあるし、まぁお手並み拝見って感じ。
[2023-05-18追記]
Analogue DuoのPre-order受付日が発表されたが、Analogue 公式サイトに以下記述があったため、Analogue DuoはopenFPGA非サポートであることが判明した。
Duo features Analogue OS, but does not support openFPGA.
Duo – Analogue
2022-10-17 21:00追記
(当初の記載である) “商用MiSTer的なもの” というより “FPGA対応版レトロフリーク/Polymega的なもの” と書いた方がわかりやすかった気がする。なんにしてもあくまで可能性の話なのは注意して欲しい。また、そういう機体をもし計画していたとしても、Analogue Duoを出す前の発表は避けるんじゃないかと思うし、出すにしてもAnalogue社のここまでの発表からリリースまでの期間を鑑みるとどんなに早くても数年後とかそういう話である。
半導体不足が予想以上に長引いている現状でどう進んでいくかはわからないが、FPGAで快適にレトロゲーミング/クラシックゲーミングしたいというだけならMiSTer FPGAを使用した方が手っ取り早い上に安価に済むというのはある。GENESIS(メガドライブ)やNES・SNESのようにSNACを使えるコアなら実機のコントローラも使えるし、HDMI出力だけでなくアナログRGB/コンポーネント出力も “Analogue DAC” を使うよりスマートにできるのもある。各種コアの開発もMiSTerの方が先行するのもそうそうには変わらないだろうから、そこのアドバンテージがあるのも大きいだろう。
ただし、MiSTerの場合は使用者側がカートリッジやCD-ROMを直接起動することにこだわらないことが求められる。つまり自分でDumpしたホワイトなROMイメージを活用することに抵抗がなければという前提条件が付くということである。DE10-NanoでのMiSTer FPGAは “ゲーム機” というより “Raspberry Pi + RetroPie のFPGA版” って感じなので、ゲーム機然としているAnalogue社製品と毛色が違うと感じるのもしょうがないとは思う。自分はどちらかではなく、両方とも活用していきたい派なのでどちらがいいとか悪いとかの論争には興味がなく、好きな方を選べる状態にあるのが望ましいと思っているので、他の人も好きにして欲しい。もちろん実機にこだわる選択肢もあり。
Analogueはゲーム機然としている強みを活かしてマルチ互換機(※)ではなく、MD互換機を突き詰めるのもありだとは思う。実際のところMEGA Sgが出た後にTerra OnionがMegaSDでメガCDのFPGA化を実現したし、MiSTer FPGAでは32Xコアも実用化されているし、現状のMEGA Sg搭載チップでは不可能であることを後継機で実現させるのも面白いと思う。NeptuneのFPGA 互換機をCD-ROM一体型でとか夢があってよい。ビジネス的な見込みを考えた上での実現性はともかくとして。
※ ここでいうマルチはセガ、任天堂、NECなどの複数メーカーを1機種でまかなう意味
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