将棋と比較しての自分なりのビデオゲームの楽しみ方の本筋

自分はビデオゲームの他に長年本将棋も趣味としていたりする。そして将棋には実際に将棋を指す以外にも以下のようなうんちくがあったりする。

・本将棋の成り立ち(チャトランガから大将棋、中将棋などへの変移など)
・家元制度、大橋家、伊藤家などについての歴史
・日本将棋連盟の歴史
・駒の素材(最上級は柘植(つげ))
・駒の彫り方の違い(盛り上げ、彫り埋め、彫り、書き)
・駒の書体の違い(錦旗、巻菱湖、水無瀬など)
・駒の木地の違い(虎斑、孔雀杢など)
・形式張った駒の並べ方(大橋流、伊藤流)
・盤の素材(最上級は榧(かや))
・盤の線の引き方(高級品は太刀盛り)
・盤の足の形はクチナシの花(口無しに通じて周りが口を出すなという通説)
・盤裏の音受けの通称「血溜まり」について
・その他プロ棋戦の歴史やプロ棋士のエピソード類

ずらずら書いたが、ちょっと将棋に興味があれば、この見出し程度のことならざっくり知っている人が多いと思う。だが、これらに対してより詳しくなっても将棋は上手くならないし、将棋を指すこと自体が面白くなるわけでもない。あくまで周辺要素に詳しくなり、知的好奇心を満たすだけである。指すモチベーションが多少は上がる人もいるかもしれないが。

だから自分の場合、上記項目について、深く詳しくなろうとは思わなく、ほどほどを心がけている。いきつくところまでいって、柘植や榧の種類や生態に詳しくなったところで将棋の本質とは関係なく思えるからだ。これらに深くのめり込む時間があるなら、序盤や寄せの手筋の勉強や、詰め将棋、COMとのトレーニングなど、指し将棋に役立つことに時間を割り当てる方が有意義に感じる。


 

将棋の楽しみ方は人それぞれで指すだけが楽しみ方ではないが、本筋はやはり指す楽しみにあると自分は思っている。そしてこれをビデオゲームに当てはめるとどうだろうか。自分の場合はビデオゲームの楽しみ方の本筋を「ゲームを遊ぶこと」だと考えている。本筋を遊ぶこととした時、「ゲームの歴史」や「ゲームをどのメーカーが作ったか」「どのクリエイターが製作に参加しているか」「どのような技術が使われているか」「どのくらい売れているか」などに詳しくなることは、将棋の場合と同様にしょせん周辺要素に対する知的好奇心を満たすだけのものではないかと自分は考える。

好きなものに関して色々知りたくなるのは当然だと思うし、それを否定したりはしない。ただ、自由になる時間がたくさんある若い頃ならともかく、年を取り自由になる時間が限られた状態で「ゲームを遊ぶことそのもの」の時間を削ってまで、周辺要素に時間を割く価値があるのかと疑問を感じるのである。

もちろん、「誰が作ったか」の実績は今までは自分に合ったゲームを見つけるための最大の近道だったので、ゲームを遊ぶことと密接していると思う人がいるのは理解できる。小説や漫画では作家買いすることが多いし、音楽ではブラームスが作曲したとか、カラヤンが指揮しているとかの選定理由でCDを買うこともある。ただ、作品を読んだり、聴いたりしている最中はそれが重要だとは思わない。それら作品外の要素に惑わされずに純粋に作品を読んだり、聴いたりするだけで楽しめるのが理想だとすら思っていて(※)、それはゲームでも同じである。

※ 自分にそれだけの技量があるかどうはまた別の話

制作者インタビューなどを読み、どういう意図で作られたかというのを知ることが作品の理解を助けることがあるのも分かる。ただ、あくまでそれは”助ける”意味であり、自分の目で見たもの、自分の耳で聞いたもの、自分の体で感じたものを一番重要視しているので、なくても構わないのである。そしてゲームの場合、双方向性があるので、制作者がどう意図していようと、プレイヤーがゲームに介在して、そこで感じたものこそが全てだと考えていいとも思っているのである。

繰り返しになるが、若く時間も熱量もあり全方位に興味が向けられるうちはいいのである。だが、そうでなくなったときに、優先順位をきちんとつけて取捨選択しないとプレイの卒業に繋がっていくと考える。仕事が忙しいときにまず削るのはゲームを遊ぶことなのか、それともWebでゲームの情報を漁ることなのか、そういうことである。軸足をどこに置くのかを意識し、ぶれないようにしたい。

なお、この文書は自分がどうありたいかという気持ちを残すのが主目的である。他者のありようは迷惑をかけない限りは好きにしてくれとしか言いようがない。

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2018-10-24追記
特定ゲームの攻略のためにそのゲームの情報をWebページや攻略本、動画で見るのは将棋でいえば指し将棋のために棋書を読むのにあたり、本筋から外れてはいないでしょう。それは上記で「指し将棋に役に立つこと」の例として挙げていたりします。

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「将棋と比較しての自分なりのビデオゲームの楽しみ方の本筋」への2件のフィードバック

  1. 良記事です。
    TwitterやSNSが主流になってから、人の反応を見るのが目的になってる人がいますね。
    知識のマウントを取って優越感に浸りたいというんでしょうかね。
    自分はレトロ復刻以外に、最近の新しめのゲームも遊んでますけど、十分面白いんですよね。
    無理に遊べとは言いませんけど、「昔のゲームは良かった」と最近のゲームを否定する人を
    Twitterで見ると、あー遊んでないんだなーと、残念な人に想っちゃいます。

    まぁ、ゲームで遊ぶのもエネルギー要りますよねー。

    1. ゲームへのかかわり方は人それぞれで迷惑をかけない限りは自由なのですが、ゲームをだしにしているように見える人にはちょっと苦手感があったりします。

      そして、KABUさんはスプラトゥーンとか新しめのゲームもばんばんやっていて、すごいなーってひそかに思っていたりして。私も新しい機種のゲームを買ってはいるのですが、復刻物や移植ものが多くてなかなか本当の最新ものにチャレンジできてません。それなら一足飛びにVRって思いでOculus Riftを買っても、部屋が狭くて全然活かせてなかったりで……。でも、いろいろ遊びきれないくらいにゲームがたくさんあって、いい時代を生きているなとも思うのです。遊ぶ時間ほんと足りないですね。

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