カテゴリー
環境整備

クラシック/レトロゲーミング用途でのLG OLED48C4PJA

LG 有機ELテレビ OLED48C4PJAをゲームメイン用途にして買ったのでメモを残しておく。届いたのは先週(6月22日(土))だし、ネット見てもまだ情報全然ないしあくまで適当に試した範囲であって精度は求めないで欲しい。


結論

とりあえず現時点での結論から書くと、”過去自分がゲームをした非ブラウン管テレビ/モニタの中で一番2Dシューティングゲームを気持ちよく遊べる” となる。これは有機ELゆえの残像感のなさと低ラグが組み合わさった結果である。

いわゆるクラシック/レトロゲーミングで2Dシューティングゲーム(以下STG)やアクションゲーム(以下ACT)のようなリアルタイム性の高いゲームを遊ぶときにLG C4シリーズは強い味方になってくれると感じている。

ただしこれは購入直後の時点の話であることには注意して欲しい。以下詳細部でラグを少なくする設定をしているが、これによりパネルの寿命が短くなったとしてもこちらは「一向にかまわんッ!」でやっているからだ。それが嫌な人はリスクの低い運用をした方がいいだろう。


詳細

以下は詳細である。

低ラグ設定の調査

設定項目をあれこれ開いて見て、ラグを減らせそうなものを試してみるという方法を取っている。実際にラグが減ったかどうかはラグテスターで測ってで。

このテレビはリリースされたばかりでWebで情報探しても見つからないだろうという想定で特にググってはいない。この辺はいずれ他の人(主に海外)によりもっと詳細に詰められることだろう。

マニュアルは詳細に全部読んだわけではないが、あまりこのTopicに見合う内容が書いてあるようには見えなかった。

設定変更した項目

ラグ低減化のため、以下を設定変更した。

  • 設定 > 映像モード:標準 → ゲームオプティマイザ
  • 設定 > 映像モード > 詳細 > 音声 : 標準 → ゲームオプティマイザ
  • 設定 > 映像モード > 詳細 > 機器設定 > ゲームオプティマイザ : ON
  • (ゲームオプティマイザ:ON後)設定 > ゲームオプティマイザ > 入力遅延(入力ラグ)の防止:標準 → ブースト
ゲームオプティマイザ:オン

ゲームオプティマイザではゲームジャンルの指定ができ、FPS、スポーツ、RTSの順にラグが少なくなったが、0.10ms~0.20msレベルの違いでしかないのであまり気にしなくてもいいと思う。自分的には色味がちょい違う程度の認識で困ることもないだろうという感じ。

次項で実際の測定値を書いているが、そこからもわかるように “入力遅延(入力ラグ)の防止” は約3.75msもラグを減らす効果がある。ただし、これはパネルへのダメージを大きくするリスクがある設定だとも予測(※)しているので結論に書いたように注意して欲しい。まぁ、数年後にどうなるかは経過を観測していくしかない。

※ あくまで個人的な予測

表示遅延測定値

クラシック/レトロゲーミングで重要になる60Hz入力時の表示遅延を測るのには、以前 “ラグテスターを使用してのディスプレイ表示遅延検証” でも使用した “Time Sleuth Display Lag Tester” を使用している。以前と同じでMiddleで計測した結果は以下のとおりで本当は縦には液晶PCモニタがいくつか、横も過去のスケーラで調べたときのデータがあるのだが見やすくする意味で下記には列・行を絞った結果のみにしている。赤字で注意書きしたように、下図の数値から7.10(ms)マイナスした値をもってCRTとの差としてまぁ問題ないだろう。このテスター自体、それ以上の精度があるものでもないのだし。

以前他のモニタ類で測った結果をもとに、ここからわかることを列挙する。

  1. 4K入力時のラグはCRTに240pソースをコンポーネント接続したときと比べて2.3ms弱増加する程度
  2. 1080p/1440p入力時もほぼ同じ。4K Game Proを使うメリットはないと言って差し支えないと思う(※)
  3. 720p入力が最速なので、メガドラミニなどはスケーラーをかまさずそのまま繋げた方がラグ的には有利
  4. 16:9でない映像ソースだとはっきりラグが増加する
  5. 16:9の映像ソースのときは REGZA BM620X より低ラグ

※ 1080p/1440p入力は4K入力と比べて大きくぼやけたり滲んだりということもないので絵的にもラグ的にも外部でのスケーリングは不要に思える(ミクロな差にこだわるならともかくとして)

あとこの図には含めていないが、OSSC Pro Pure LMでの480pや240p Line 5x(1600×1200)も試しているが、映るには映ってもラグが大きいためわざわざそれを選ぶメリットはない。480p入力だとラグが大きいということは、当然RetroTINK-2Xも向いていないということになる(実際に試してはいない)。

1080pのときの表示遅延の計測値は9.38msで、この値より0.30ms程度小さい値が今まで使ってきた24インチ液晶ゲーミングモニタ(IPS, VA, TN)でも出ているのだが、有機ELならではの残像感のなさにより2Dシューティングプレイ時の弾の見やすさ・遊びやすさは別格である。これはまぁ実際遊んでみてもらえばわかると思うのでここではこれ以上書かない。

官能検査

たとえいくら数値が良くても、いくら評判が高くてもプレイ感覚がよくなければ自分の場合は価値が低く、ここは自分の感覚を大事にしていて一番ラグがわかるアーケード版ファンタジーゾーンをRetroTINK-4K 4K60 Gen Lock経由とOSSC Pro Adaptive LM 240p Line 6xで遊んでみている。

アーケード版ファンタジーゾーンでの官能検査

結論に書いているようにここの結果も良好だった。

プレイステーション4での怒首領蜂大往生 臨廻転生で3面ボス巌武の高速な弾幕も凄く見やすいなと。


ブラウン管っぽい映像の追求

(この段落はテレビの設定ではなく、スケーラーを使うときの話なのでRT4Kに興味のない人は飛ばしてよい)

RetroTINK-4Kでの 4K HDR CRT Emulationなプロファイルは液晶TVでもいい感じではあったが、実際に手持ちのCRTを並べて比べると “見間違える” というとこまでは届いていないというのが本音だった。これが有機ELでだとかなりヤバいと感じた。パネルだけ筐体に入れるとかされたら騙される人も多いんじゃないかと。

RT4K 4K HDR CRT Emulationプロファイルを使用したサンダーフォースIV

ただし、RT4K 4K HDR CRT EmulationはGen Lock/Frame Lockでもそれなりにラグが増えるのでリアルタイム性の高いゲームを遊ぶときは避けた方がいいとも思う。サンダーフォースIVをNormalランクでノーミスクリアできる程度のラグといえばその程度でしかないのだが……。


おまけ

LG OLED48C4PJA、電源オン時が “最後に使っていたもの” じゃなくてHome画面なのが気に入らなくて、設定変更を探したらえらい深い階層にあったのでメモしておく。


Home > 歯車アイコン > 上部人型アイコン > 機器設定 > システム > 追加システム設定 > ホーム設定 > 起動時の画面 で “最近の入力”

階層が深いというか、階層になっておらずあっちらこっちらを触らないといけないのが正直アレで、ここに限らずこの辺りのセンスは今までのテレビと大きく違うというのは感じた。


最後に

なぜ有機ELかというと、ブラウン管モニタの製造が日本で終了してからずっと主流だった液晶モニタ/テレビにずっと不満を持ち続けていたからである。仕事で使うときは別にいいのだが、ゲームをするときのラグと残像感がどうしても気になっていた。近年は液晶ゲーミングモニタならラグはブラウン管と比べたときに+2.0~4.0ms程度まで下がってはいたのだが、やはり残像感はぬぐえなかった。 だが、10年前の時点では有機ELを使ったモニタ/テレビ非常に高価な業務用モニタしか発売されていなかった(※)。

※ その前はソニーから “XEL-1” という11型の有機ELテレビが発売されていたみたいだが2011年ころにはころには既に販売されていなかったし11型はさすがに小型すぎた。

そして近年は有機ELテレビの価格も落ちてきていたのだが、焼き付き防止機能のためにゲームモードでもラグは液晶より大きな製品しかない状況が数年続いており、ゲームモードの進歩を待ち続けていたのである。そして昨年末からLGの製品は日本では定評のあるREGZAをもしのぐゲーミング性能を持っているという話をちらほら聞き始めたので2024年夏モデルが出るのを待っていた。まぁ海外勢が性能を計測してから買った方が手堅かったのだが、もう10年以上待ち続けていたので我慢が利かなかった。先にPC用32インチモニタを有機ELにしようと選定してたところで、リモコンがついてなくて断念したのも後押しした。

とりあえず結論にも書いたようにゲーミング性能的には大満足なので買って正解だったとしか今は思っていない。’80年代アーケードゲームをリアルタイムで遊んできた年齢のおじさんにはガチでゲームを遊ぶ時間はそんなに残されていない感覚があり、”安くなるのを待つ” という選択肢は悪手でしかなく、全力で遊んで壊れたならそれはもう仕方ないことなのだ。まぁ最低3年、できれば5年はもって欲しいくらいはメモしておこう(フラグ)。

あとLGのフラグシップ機であるG4シリーズも発売されたようだが、まぁC4よりさらにお高いので今回は見送った。


[関連記事]

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です