RetroTINK-5X ProのメジャーアップデートであるFirmware Ver.2.39が2021年12月22日(JST)にリリースされた。
メジャーアップデートというだけの更新が入っているが、ざっくり挙げると以下など。
- OSDメニューの一新
- 位置調整、明るさ調整、同期調整、ズームなどの機能追加
- 10個あるプロファイルへの設定保存、呼び出し
マニュアルはローンチ時からずっとVer.1.0のままで、内容が古くなっているが更新はしばらく待って欲しい模様。その間はRetroRGBの動画を参照して欲しいとのこと。
こちらはとりあえず何も考えずに適用した。
新OSDの入口はこんな感じ。
各項目はVer.1.999以前を触っていればだいたいわかると思う。変更したらSave Profileから保存すればよい。機種単位に1プロファイル使うのが運用しやすいと思う。
自分の場合のプロファイルは以下で運用するつもり。参考までに。
- Slot 1 : Generic (1080p(Fill), Generic 4:3, STDV LPF:Light, EDTV LPF:Off, Flame Lock)
- Slot 2 : MD (1080p(Fill), MD320, SDTV LPF:Light, Flame Lock)
- Slot 3 : SS (1080p(Fill), Saturn 350, SDTV LPF:Light, Flame Lock)
- Slot 4 : DC (1080p(Fill), DTV 858A, STDV LPF:Light/EDTV LPF:Off, Flame Lock)
- Slot 5 : MS (1080p(Over), 256, SDTV LPF:Strong, Flame Lock)
- Slot 6 : AC (1080p(Fill), Generic 4:3, SDTV LPF:Strong, Flame Lock, Video ADC微調整1)
- Slot 7 : AC (1080p(Fill), Generic 4:3, SDTV LPF:Strong, Triple Buffer, Video ADC微調整2)
- Slot 8 : PlayStation2/Wii (1080p(Fill), Generic 4:3/DTV 858A, STDV LPF:Light/EDTV LPF:Off, Flame Lock, YPrPb)
- Slot 9 : AC (1080p(Fill), Generic 4:3, SDTV LPF:Strong, Triple Buffer, Video ADC微調整3 for Cave)
- Slot10 : AC (1080p(Fill), Generic 4:3, SDTV LPF:Strong, Triple Buffer, Video ADC微調整4 for マスタッシュボーイ)
安全のために設定変更できないDefaultプロファイルが電源オン時に割当たる仕様だが、ここは前回使用プロファイルを選べるようにして欲しい。同じゲーム機を続けて使うことが多い人の場合、Fw.Ver.2.39のDefaultプロファイルが起動時に使われる仕様は嬉しくないと思う。というか、Load Profileこそリモコンにアサインして欲しかった、というか(連発)前回使用プロファイルを起動時に選択した上で、サイクリックなChange Profileボタンをリモコンにアサインして変更不可なDefault Profileがその中に入っていれば根本解決できると思う。
なんにしても、OSDを一新した最初のバージョンなわけで、これから育っていくもの、と捉えるのが正解。不満があるならきちんとまとめて__相手に伝わるようにして__Mikeに要望すればよい。
そして、RetroTINK-5X Pro Firmware Ver.2.39でもセガハード4種がFrame Lockで問題なく遊べることを1面番長して確認した。
マスターシステムは前バージョンと変わらず、LPFをStrongにしないと映らなかっただけでなく、細かな設定変更が必要だった。
メガドライブはいつものように安定。
サターンも安定していた。
ドリームキャストもいつも通り。
ただし、メガドライブ本体のマスターシステムモードについてはデフォルト設定のままだと同期が乱れるので、Triple Bufferにした上でVideo ADC設定を変更する必要があった(あくまでこれを書いた時点での調査結果)。ここはFw.Ver.1.999だとSCART接続よりHDRVでのYPbPr接続の方に分があったのが、Ver.2.39時点ではいずれもTriple Bufferにする必要がありそうだ。
HDRVのときのサンプルも上げておく。SCART時と同様に、適当に試しただけでこれがベストだと言うつもりはない。むしろ最適値を知っているなら教えて欲しい。
プレイステーション1。
プレイステーション2 480p。
プレイステーション2 480i。
アーケード基板については調査中だが、現時点ではFw.Ver.1.999ではFrame LockでSDTV LPFをStrongにするだけで映っていたタイトルも、Triple Bufferにした上でVideo ADC設定の変更をしないと同期が乱れるケースが自分的に重要なタイトルで目立つ。あとFw.Ver.1.999時点と描画位置、サイズが微妙に異なるため、調整が必要になるケースもあった。ポジションやクロッピング範囲の変更はタイトルごとに設定する必要がないよう、うまく共用設定を作りたいところだが、上記したようにすでに4つ使っている。
手持ち基板のほとんどを調べたが、Frame Lockでの対応度は過去断トツで悪い結果だった。Video ADCの調整で救えるものもあるかもしれないが、そうなるとアケ基板にプロファイル10個全部割り当てても足りなくなるわけで、けっきょく現時点ではアーケード基板を重視する場合はFw.Ver.1.999のままの方が使いやすいと思った。
Frame Lock – 手持ち3割5分強で対応
Triple Buffer – 手持ち約9割5分で対応
ただ、RetroTINK-5X ProではFw.Ver.1.24以来同期が安定してなかったサンダーフォースACが上記プロファイル Slot 6(Frame Lock)で動いたのはありがたい。あと、MV-1FZもTriple Bufferでなら同期が乱れず、遊べるようになった。
ここまで、いいところもイケてないところも両方ありていに書いておいた。だけどOSDを一新したVer.2.xxはまだ始まったばかり。これから育っていってくれることに期待したい。
あとクリスマス直前ということでAboutのメッセージはちょいとしゃれていたので残しておく。