自分はいわゆる”ファミコン世代”の人間だが、かつては『結婚したらゲームは卒業』とか『30になったらゲームは卒業』とか、そんな感じのことを言う人が多かった。1997年にセガBBSに参加した頃にも、ちらほらそういう意見を見かけた。アニメや特撮・戦隊ものと同様にゲームを子供向けの娯楽と捉えている人が少なからずいたということだろう。
そしてファミコン世代やそれ以前からのゲーマーで未だにゲーム好きである人たちは、その『大人になったらゲームは卒業』という同調圧力に負けなかったのだと思う。でも、そういう人たちの多くが今ではゲームをあまり遊ばなくなっているのを感じる。これはWebで見る限りではなく、同年代の知人と話していても感じることである。
これはゲームが嫌いになったとかではなく、あくまでゲーム好きでゲームに関することに対して時間やお金を使っているにも関わらず、以下のような”ゲームの周辺要素”の方に趣味の軸足が移っているように見える人が多いということである。
- ゲーム開発者やソフトが作られた背景について情報を集める
- ゲームで使われている技術について情報を集める
- ゲームの売上や業界についてWebで語る
- ゲームソフトについてWebで語る
- ゲームやゲームグッズ類を集める
- 攻略目的でもなくゲームの動画を観る
- ゲーム音楽を打ち込む/演奏する
- ゲームのイラスト・漫画を描く
- 修理目的でもなくゲーム機を分解したり改造したりする
- ゲームをより良い環境で遊ぶための環境構築にこだわる
- ゲームの転売で小遣い稼ぎをする
- イベントなどでのゲームを介しての人の繋がりを広げる
- etc…
ゲームが好きで語りはじめたはずなのに、語るのがメインになってゲームをあまり遊ばなくなった人。ゲームプレイをより楽しむために情報を集めていたはずなのに、ゲームについて詳しくなるのが目的になっている人。遊ぶためにゲームを買っていたはずなのに、集めるのが目的になっている人、etc…。
これはつまり”ゲームを卒業”していないが、”プレイを卒業”しつつある人が増えているのではないかということである。セガBBSを見始めた頃から、年齢を重ねるほどそうなりやすい傾向を感じ、自分の知人の状況や、Webで自分と同世代および前後の世代の行動を伝え聞く限り確信に変わっている。
誤解して欲しくないが、ゲームの周辺要素に軸足を移すことが悪いことだとは思っていないし、楽しみ方は人それぞれで人様に迷惑をかけない限りは自由であるとも思っている。また、上記要素は1か0かという話ではない。自分だって上記要素の多くに楽しさがあることを理解しているし(※)、周辺要素の方に時間が取られるせいでプレイ時間が減っていた時期もある。ただ、自分自身はあくまでゲーマーとして”遊ぶこと”にこだわっていきたいし、同じ”ゲーム好き”でも遊ぶことにこだわる人の方により共感を覚えるというだけのことである。そして、遊ぶことがメインでなくならないようにするには何を心がければいいのかというのも20年近くテーマにしていたりする。それについてはまたいずれ別の機会に。
※ 自分は転売に楽しみを見いだしてないし、やらない主義だが……
まぁごちゃごちゃ書いていて結局何が言いたいのっていうと”もっと遊ぶことに熱くなろうぜ”というだけだったりする。そして、そのシンプルなことを実践し続けることこそ難しいのかもしれないとも思うのである。
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